2013年11月12日火曜日

当団体が北海道新聞様から取材を受けました

女子現代メディア文化研究会は、「児童ポルノ禁止法」について北海道新聞様から取材を受けました。2013年10月28日の朝刊に、共同代表の山田のコメントが掲載されました。

記事はこちらです(↓)
北海道新聞2013年10月28日朝刊「ニュースを掘る」(1.1MB)

2013年9月15日日曜日

「児童ポルノ禁止法」改正案について修正を求める意見書

女子現代メディア文化研究会は、継続審議の運びとなった「児童ポルノ禁止法」改正案につきまして修正を求めます。

【はじめに】

「児童ポルノ禁止法」(正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」)改正案(以下、本改正案)について、私どもは修正を求めます。なぜなら、実際には子どもを守れない改正案となっていると考えるからです。
私どもは「児童ポルノ禁止法」第一条の「児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ」「児童の権利を擁護する」という目的は正しいと考えます。しかしながら本改正案は、名ばかりの児童の権利擁護の法案となっているのではないかと危惧します。少なくとも「児童ポルノ禁止法」は、アニメーションや漫画等の創作物を取り締まることを立法趣旨としていません。立法趣旨は、実際の被害児童の保護・救済です。こうした「児童ポルノ禁止法」の立法趣旨を混同して、架空の世界の取り締まりに力をそそごうとし、保護・救済が必要な実在の児童が置き去りにならないよう求めます。
 
【意見趣旨】 

(1)「児童ポルノ」という文言について。
「児童ポルノ」という文言を「児童性虐待記録物」に改めることを求めます。

(2)除外規定について。
「児童ポルノ」について除外規定を設けることを求めます。すなわち、学術研究、報道に必要性が認められる実写の記録物、および創作物全般(漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、イラストレーション、グラフィック等のデザイン、絵画、彫刻、インスタレーション等)は「児童ポルノ」としての取り締まり対象から除外する旨の条文を付け加えることを求めます。

(3)第六条の二、第七条について。
「児童ポルノ」の定義が現状のように曖昧なままで単純所持を禁止することに反対します。

(4)附則について。
第二条2の削除を求めます。また、第二条2の削除に伴い第二条すべての削除を求めます。
 
【意見の理由】

(1)の理由
「児童ポルノ」という文言が曖昧なので混乱を生んでいると考えるからです。「児童ポルノ」を「児童性虐待記録物」と改めれば、製造過程に児童への権利侵害が含まれる記録物が取り締まり対象であることを明確に示すことができます。

(2)の理由
「児童ポルノ禁止法」第一条に従えば、「児童ポルノ」は製造過程に実在の児童への実際の人権侵害を伴う内容の記録物であり、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等の架空の世界を描いた創作物は「児童ポルノ」と混同するべきではないからです。
また創作物への過剰な規制は、結果として、表現者としての女性の自由を奪うことになると考えます。特に漫画やアニメーションについては、規制によって、描くことが許諾される表現の範囲が限定されていくことを危惧します。
日本の創作物にかかわるクリエイターの業界は、男女雇用機会均等法施行以前から女性が活躍できる場でした。
こうした場が衰退せず、次世代へ発展的に継承されることを求めます。

(3)の理由
「児童ポルノ」の定義が曖昧なまま単純所持を禁止すれば、処罰範囲が不当に拡大したり、恣意的な逮捕・捜査、冤罪の危険が高まると考えるからです。
まず、「児童ポルノ」は製造過程に児童への権利侵害が含まれる記録物に限定するべきなのは、既に述べた通りです。それ以外(例えば家族の思い出の記録として所持する幼児期の入浴写真)は犯罪性がある「児童ポルノ」と区別するべきです。
また、パソコンの所持者の意思とは関係なく勝手に「児童ポルノ」を保存するコンピュータウイルス「MELLPON」の存在が確認されております。こうした種類のウイルスに感染して「児童ポルノ」を所持した場合は罪に問うべきではありません。しかし、こうしたケースでの「児童ポルノ」の単純所持を本改正案において犯罪性のあるケースと確実に区別できるかは疑問です。「みずからの性的好奇心を満たす目的」という主観的要件は、現在の刑事訴訟法下では、捜査機関による自白の強要を招くか、さもなければ事実上安易に認定されて犯罪性のある所持の区別には役立たない結果となる可能性の強いものです。

(4)の理由
第2項は必要がないと考えるからです。第2項では、改正案施行後三年を目途とし「必要な措置」を講ずることとなっています。しかし現状でブロッキングは既に行われており、「必要な措置」としての三年後からの規制の必要性はありません。また、ここでいう「必要な措置」としての規制は内容に具体性を欠く部分もあります。そもそも、規制は原則として民間の自主規制とするべきであり、規制の内容が明白ではないうちに必要性を認めることはできません。
そして、第1項の調査研究がこのような第2項における三年後からの規制を前提としているならば、第1項の必要性もまた認められません。したがって、附則第二条全体が必要ありません。

以 上

女子現代メディア文化研究会共同代表
山田久美子

・PDF「「児童ポルノ禁止法」改正案について修正を求める意見書」(232kb)

2013年8月23日金曜日

他団体の講演会のご案内です


講演会「韓国・児童青少年性保護法(アチョン法)による創作物規制の波紋」

講 師:
 朴景信さん (高麗大学教授/韓国放送通信審議会委員)

内 容:
児童ポルノ禁止法制にマンガ等の創作物規制を盛り込んだ韓国においては、性犯罪とはおよそ無縁のまじめな学生や日本語翻訳者らが大量に検挙されるなどの混乱が発生しています。
この講演会では、当局に拘束されたマンガ翻訳者等への司法支援活動に奔走する「NGOオープンネット」の理事で、高麗大学の憲法学教授でもある、朴景信先生をお招きして、児童ポルノ禁止法制によるマンガやアニメ等のフィクションの取り締まりがもたらす危険について語って頂きます。

東京会場:(要申込)
 日 時:2013年9月6日(金) 13:00〜15:00
 場 所:文京区シビックセンター26階・スカイホール
 申 込:http://kokucheese.com/event/index/107103/

京都会場:(要申込)
 日 時:2013年9月7日(土) 19:00〜21:00
 場 所:キャンパスプラザ京都 第4講義室
 申 込:http://kokucheese.com/event/index/107111/

主 催:特定非営利活動法人うぐいすリボン
協 賛:コンテンツ文化研究会、表現規制を考える関西の会、
    女子現代メディア文化研究会

2013年7月31日水曜日

他団体のシンポジウムのご案内です

マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム 

 

 日本の児童ポルノ禁止法改正案附則2条の「漫画規制検討条項」が、マンガ文化の世界的な萎縮を招くのではないかという懸念が、海外の関係者からも指摘されるようになりました。

 今回のシンポジウムでは、全米反検閲連盟のスヴェトラーナ・ミンチェバさんと、コミック弁護財団のチャールズ・ブラウンスタインさんをお迎えして、この問題を考えます。

日時: 

 平成25年8月13日(火)13時00分〜17時00分

場所:

 文京シビックセンター26階・スカイホール

講師:

 スヴェトラーナ・ミンチェバ(全米反検閲連盟・事業担当役員) 

 チャールズ・ブラウンスタイン(米国コミック弁護財団・事務局長) 



内容:

講演① 13:00〜14:45 
 
 演題: 

 合衆国におけるマンガ表現規制の現状と、コミック弁護財団の活動について

 講師:
  チャールズ・ブラウンスタインさん (米国コミック弁護財団事務局長) 

 Mr. Charles Brownstein 
 (Executive Director of the Comic Book Legal Defense Fund)



講演② 15:00〜16:45

 演題:
 性的ファンタジーに対する法的制限は認められるべきか 

 合衆国とその他の地域における歴史的、法的、政治的な視点から考察する
 講師:

 スヴェトラーナ・ミンチェバさん (全米反検閲連盟 事業担当役員) 
 Ms. Svetlana Mintcheva 
 (Director of Programs of National Coalition Against Censorship)

共同開催:

 コンテンツ文化研究会 

 特定非営利活動法人うぐいすリボン

2013年6月10日月曜日

他団体の勉強会のご案内です


児童ポルノ禁止法・院内勉強会

コンテンツ文化研究会は今国会で提出された児童ポルノ禁止法の改正についての緊急勉強会を開催いたします。

当会は児童ポルノ禁止法は本来の目的である「実在の児童を性的搾取及び性的虐待から保護する」ための改正を行うべきだと考えております。
皆様のご参加を、お待ちしております。

申し込みはこちらから
http://kokucheese.com/event/index/96100/

講師:大屋雄裕 (名古屋大学大学院法学研究科 教授)
    森川嘉一郎(明治大学国際日本学部准教授)
    Ms.Svetlana Mintcheva(National Coalition Against Censorship
    【全国反検閲連盟】director of programs)※ビデオメッセージ

日時:2013年06月13日(木) 16:10(開場16:00)
会場:衆議院第一議員会館 大会議室
主催:コンテンツ文化研究会
共催:特定非営利活動法人うぐいすリボン、女子現代メディア文化研究会

2013年6月4日火曜日

他団体の勉強会のご案内です


『表現規制問題勉強会・応用編』開催のお知らせ

コンテンツ文化研究会は、次の日程にて勉強会を開催する運びとなりました。

表現規制問題勉強会・応用編:最前線における表現規制反対運動

今回は、表現規制反対運動に実際に参加してみたい方に向けた勉強会を開催します。
最前線で実際に行われている表現規制反対運動というのは、多くの方がイメージされている運動とは異なる点が多いのが実情です。
この勉強会では、そのギャップについて知っていただき、活動の参加に役立てていただきたいと思いますので、是非ご参加ください。

日時:6月8日(土) 13:00-15:00
場所:榎町地域センター2F和室
アクセスマップはこちら

【交通】
東京メトロ東西線「早稲田」駅 1番出口徒歩7分
東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅 b1出口徒歩14分
都営大江戸線「牛込柳町」駅 東口徒歩10分
都バス「榎町特別出張所前」 徒歩1分

予約などは必要ありませんが、今回は『時間厳守』でお願いいたします。
定刻から大幅に遅れた場合、参加いただけない事がございます。
また、時間厳守以外の参加制限はありませんが、応用編ですので、基礎的な内容については省略させていただく事がありますので、予めご了承ください。

2013年5月21日火曜日

他団体の講演会のご案内です(追加)


特定非営利活動法人うぐいすリボン主催の「児童ポルノ規制に関する論点解説講演会」が、博多に続き札幌でも開催される運びとなりました。ご関心をお持ちの方は、ぜひお越しくださいませ。

<札幌>
講師:大屋雄裕(名古屋大学大学院法学研究科教授)
日時:2013年6月23日(日) 19:00〜20:30
場所:札幌国際ビル 8階 A会議室
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/92378/

2013年5月19日日曜日

他団体の講演会のご案内です(追加)

特定非営利活動法人うぐいすリボン主催の「児童ポルノ規制に関する論点解説講演会」が、博多でも開催される運びとなりました。ご関心をお持ちの方は、ぜひお越しくださいませ。

<博多>
講師:山口貴士(弁護士)
日時:2013年6月14日(金) 19:00〜20:30
場所:JR博多シティ 9階 大会議室3
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/91053/

2013年5月3日金曜日

他団体の講演会のご案内です

特定非営利活動法人うぐいすリボン主催で、「児童ポルノ規制に関する論点解説講演会」を開催いたします。5月中に名古屋、東京、京都、広島での開催を予定しております。ご関心をお持ちの方は、ぜひお来しくださいませ。

<名古屋>
講師:大屋雄裕 (名古屋大学大学院法学研究科 教授)
日時:2013年5月11日(土) 19:00〜20:30
場所:ウインク愛知 会議室1104
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/88367/

<東京>
講師:曽我部真裕 (京都大学大学院法学研究科 教授)
日時:2013年5月17日(金) 12:00〜13:30
場所:参議院会館 B109会議室
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/88071/

<京都>
講師:髙山佳奈子 (京都大学大学院法学研究科 教授)
日時:2013年5月18日(土) 19:00〜20:30
場所:ひと・まち交流館京都 会議室5
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/75830/

<広島>
講師:中村晃基 (弁護士)
日時:2013年5月25日(土) 19:00〜20:30
場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室C
申し込み:http://kokucheese.com/event/index/88712/

2013年4月29日月曜日

他団体の勉強会のご案内です

特定非営利活動法人うぐいすリボン主催の院内勉強会のご案内です。

「第3回 児童ポルノ禁止法に関する院内勉強会 」
〜関西3府県の先行事例の紹介〜
講師:曽我部真裕 さん(京都大学教授/BPO委員)
日時:平成25年5月17日(金) 12:00〜13:30 

場所:参議院会館 B109会議室 
 (東京都千代田区永田町 2丁目1-1)
内容:大阪府の青少年健全育成条例の審議に携わった曽我部真裕さん(京都大学教授)に、児童ポルノの取得・所持の規制を盛り込んだ関西3府県(大阪・京都・奈良)の条例を紹介して頂いた上で、国の児童ポルノ禁止法改正の論点を解説して頂きます。 

主催:特定非営利活動法人うぐいすリボン 

協力:コンテンツ文化研究会、女子現代メディア文化研究
参加費:無料
定員:50人(先着順)

お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/88071/

2013年4月20日土曜日

他団体のシンポジウムのご案内です

「子どもシェルター」について考えるシンポジウムが、実在児童の人権擁護基金主催で開催されます。

「子どもシェルター」における児童保護の現状
講師:角南和子先生(社会福祉法人カリヨン子どもセンター評議員・弁護士)
日時:5月10日(金) 13:00〜14:30(開場12:40)
場所:参議院議員会館101号室
内容:「社会福祉法人カリヨン子どもセンター」の角南和子先生をお招きし、「子どもシェルター」とは何かということや、児童保護の現状や問題点について語っていただきます。
主催:実在児童の人権擁護基金
共催:コンテンツ文化研究会、女子現代メディア文化研究会、
   特定非営利活動法人うぐいすリボン、表現規制を考える関西の会
   (※あいうえお順)
参加費:無料
定員:100人(先着順)

お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/86995/

2013年3月15日金曜日

会田誠氏展覧会について、森美術館への作品撤去要請に抗議する声明


 現代美術は往々にして社会に問題提起をします。森美術館におけるこの度の会田誠氏の展覧会、「会田誠展:天才でごめんなさい」をめぐり賛否両論含む議論が生まれたことについては、現代美術の展覧会としての観点からは有意義であったといえます。
 作品への感想や意見は、否定的な内容も含め大いに語られると良いでしょう。しかしながら作品の撤去要請については、私ども女子現代メディア文化研究会は抗議いたします。撤去要請は表現の機会を否定することになります。これは表現をする事前の抑制につながり、「表現の自由」が保障されるべき近代国家にあっては、軽々に認められないことです。
 もちろん、制作過程に現実の人物に対する虐待が含まれる作品の場合、厳しい取り締まりが必要です。しかし問題とされた「犬」シリーズについていえば、描かれている少女たちは実在しない人物であり、この作品の制作過程においては人権侵害はありません。
 また、森美術館による会田誠氏の作品の展示は我が国の法に則っているわけで、その限り、何ら作品を撤去する必然性はありません。しかも、一部の作品についてはゾーニングを施しており、森美術館は極めて慎重な展示をしていることがうかがえます。
会田誠氏の作品が女性差別を推進しているという主張、作品の撤去要請はこれに基づいているようです。しかし、この主張は女性全体の意見を代表しているわけではありません。少なくとも、私ども女子現代メディア文化研究会の意見とは異なります。むしろこうした女性差別撤廃を声高に叫びながらの作品の撤去要請が、女性を含む国民の「知る権利」を侵害し、結果として一国民としての女性が享有する権利までも侵害すると考えております。
 また、作品の撤去要請は、「女性はこのように描かなければならない」といった表現への誘導となります。作品を発表する機会を奪う要請は、創作物で描かれる女性の像を限定する圧力となります。このような圧力は女性を含む表現者の表現に過剰に介入するとともに、創作物で描かれる女性の像の多様性を失わせることにもつながります。
 作品の撤去要請などという誤った方法に頼っては、結果的に一国民としての女性の権利をむしろ侵害し、ひいては、女性の表現者が現在にわたり積みあげてきた文化遺産を破壊することになると、私ども女子現代メディア文化研究会は危惧しております。
 誰しもが意見を表明できるのは「表現の自由」が保障されているからこそです。この度の森美術館への作品撤去要請はそれを否定するものです。「表現の自由」は近代国家にあって、国民が享有している権利であることを忘れてはなりません。たとえ相手の意見が自らの意見と異なっていても、その意見を表明する権利は絶対に奪ってはならないのです。

女子現代メディア文化研究会共同代表
山田久美子/AngelVibes

当団体について

 女子現代メディア文化研究会は、現代メディアを媒体とする創作、およびその所産の発展的な継承について研究する場として、2013年3月に発足いたしました。女子現代メディア文化研究会は、小説、漫画、アニメーション、ゲーム、デザイン、絵画、彫刻、美術品、その他すべての『表現』に平等な『表現の自由』を求めます。表現者、鑑賞者の性別による差別に反対し、表現の指向が男性向であるか、女性向であるかの垣根は設けません。各条例、法律が、実際の人権侵害による『実在する被害者』を救済するためのものになるよう求めます。